日本に行ったことのある中国人と話していて、中国と日本の違いを聞くと、必ず出てくるのが交通料金についてです。
必ずと言っていいほど、「日本の公共の乗り物は確かに便利だけど、なぜあんなに高いんだ」と言われます。
確かに中国のバスや地下鉄の料金は本当に安く、近い距離であれば1,2元、また同じ市内であればどんなに遠くまで行っても日本の初乗り運賃と変わらないほどなので、非常に多くの人が利用しています。
そこで大変なのが、バスや地下鉄の乗り降り。大都市だと乗り物の中は常に満員の状態であり、日本ほどマナーやルールがあるわけでもありません。それで今回は乗り物の中で使えるフレーズを幾つかご紹介します。
自分より前に立っている人に「你下车吗?请换一下」
バスや地下鉄の中には「先下后上」や「排队有序上车」、つまり「降りる人が優先です/マナーを守って乗車しましょう」というようなマナー向上を訴える標語が掲げられており、また駅に到着すると駅員や車掌が大きな声でこのような言葉を叫んでいます。
10年前などに比べると改善されてきたようにも感じますが、それでもまだ「我先に」といったような人が多く、降りる前からどんどん乗り込んできます。
もっとも地域によっては違うようで、バスが到着した途端に列が崩れてドアに群がっていき、押し合いをしながら乗り込んでいくところから、最後まで列を崩さずマナーを守って乗車する所もあり、一概には何とも言えないのですが。
それでも気をつけていないと乗り込んでくる人たちのせいで、目的地で降りられないなんてこともあります。
それで降りる予定の一つ前の駅ぐらいから、ドア付近に移動しておきましょう。
その時に自分より前にいる人に使うのが、「你下车吗?」で、「次の駅で降りますか」という意味です。
それに対して「下」あるいは「不下」、つまり「降ります/降りません」で返事が来るので、「不下」と来たら「请换一下」、つまり「場所を換わってください」と伝えましょう。
また同じような言い方で、「请让一下」または「请过一下」、つまり「どいてください/前に行かせてください」という言葉を使うこともできます。
この時に大切なのは、自分は次に降りるということを大きめの声でしっかりとアピールしておくことです。言葉が通じないのではないかと臆病になったりせず、はっきりと伝えましょう。
小さな子供やお年寄りは大切に、「给他们让座」
それでは公共の乗り物に乗る時に中国人が全くマナーを守っていないかというと、そういうわけではありません。
中国で美徳とされている言葉の一つに「尊老爱幼」、つまり「お年寄りを敬い、子供を愛する」、もっと簡単に言うと「お年寄りや子供を大切に」という意味の成語があります。
バスや地下鉄の中でもよくアナウンスされる言葉で、お年寄りや小さな子供連れの人が乗ってきたら、席を譲りましょうというメッセージが流れます。バスに乗り込む際は我先にという人でも、お年寄りや小さな子供にはすぐに席を譲る人も多く、見ていてとても微笑ましいものです。逆にこちらが座ったままでいると周りの人からの譲るべきだろうというような視線を感じることもあるので、「您坐这儿吧」、つまり「この席どうぞ」と譲るようにしましょう。
公共の乗り物以外にも使える交通手段
あまり公共の交通手段は使いたくないという方もおられるかもしれません。ここ数年普及しているのが「滴滴打车」と呼ばれるもので、スマートフォンの配車アプリから出発地と目的地を設定して、車を呼ぶというものです。
料金はタクシーとあまり変わらないのですが、不定期でクーポンも配信されるので、タクシーより安く行けることもよくあります。
また中国各地で普及しているのが「共享单车」と呼ばれるシェア自転車であり、30分1元ほどで乗り捨ても自由なので、近い距離であればとても便利です。
スマートフォンでの操作もとても簡単なので、ぜひ使ってみてください。