言葉というのは、一つの字に複数の読み方が存在します。文字を習う時からそれが当然だと思っていた私たちは、今となっては特に疑問に思うことはないでしょう。文字は小さい時から、つまりは知識が全くなかった時からインプットさせられており、それを何度も何度も反復していくことで覚えてきました。
しかし今、中国語を新たに勉強する私たちとしては、理屈を考えようとしすぎて、その知識こそが少し障害になってしまうこともあるのです。人は誰しも単純暗記が苦手です。もちろん暗記自体を得意としている人もいますが、全員が全員そうというわけではありません。
何度も反復すればもちろん覚えられますが、むしろその知識を、培ってきた考える能力を活かして学べていけたらいいですよね!
二(Èr)と兩(Liǎng)。
中国語を学ぶにあたり、数字は避けられません。日常生活の中で数が出てこないことはあり得ないはずです。もちろん日本語でも数を数えますが、実は中国語も結構厄介なのです。
日本語では、1、2、3、4・・・と数える場合と1つ、2つ、3つ、4つ・・・と数える場合、全て読み方が変わります。
しかしながら中国語で変わるのは2だけです。つまりは他の数字と合わせて雰囲気で覚えられないために、この時はどっちだっけ?というような疑問が生じるのです。
さて、ここでの使い分けですが、兩(Liǎng)は量数、二(Èr)は序数とすることができます。ちなみに、「量数」とは1つずつ数えていくもので、「序数」というのは順序がある中の2番目ということになります。
実際、日本語で二と発音しているから二を使い、ふたつと発音しているから兩を使うというわけではありません。そのために少し難しいと感じてしまうかもしれませんが、慣れるまでは日本語で序数か量数かを考えましょう。二月なら一月から十二月の中の「序数」の二月(Èr yuè)、二ヶ月なら数えていくので「量数」の兩個月(Liǎng gè yuè)というようになります。
二(Èr)と兩(Liǎng)の使い分けの例
兩個 Liǎng gè 二個、 兩歲 Liǎng suì 二歳、 兩天 Liǎng tiān 二日間、
兩個月 Liǎng gè yuè 二ヶ月、 兩點 Liǎng diǎn 二時
二年級 Èr niánjí 二年生、 二月 Èr yuè 二月、 第二 Dì èr 第二、
二号 Èr hào 二日、 二樓 Èr lóu 二階
また、私たち日本人は2、22、222・・・など全て二(に)と呼んで数えます。ここでも不思議ながら、中国語では数字によって読み方が変わります。しかしながら、先ほどの序数と量数の法則性を考えれば、なんで読み方が違うのか、そしてどう読むのかはすぐに分かってくるはずです。
2 Èr 二
20 Èrshí 二十
22 Èrshí'èr 二十二
200 Èrbǎi 兩百
222 Liǎngbǎi èrshí'èr 二百二十二
2200 Èrqiān èrbǎi 兩千二百
2222 Liǎngqiān liǎngbǎi èrshí'èr 兩千二百二十二
22222 Liǎngwàn èrqiān liǎngbǎi èrshí'èr 兩万二千二百二十二
222222 Èrshí'èrwànèrqiān liǎngbǎi èrshí'èr 二十二万二千二百二十二
というようになります。
実はこちらはそんなに厳密に分かれているわけではなく、二と兩どちらでも良いというものもあるので、そこまで細かく気にしなくて良さそうですね。
色々と紹介してきましたが、序数と量数というのは日本語でも中国語でも共通されるものです。まずそこは前提にしなければなりませんが、それさえ分かってしまえばあとは自然に使い分けることができるようになるでしょう。
まとめ
簡単なようで一癖ある2の使い分けでしたが、いかがだったでしょうか。難しい面もあるように思われがちですが、上記のように法則性さえ見つけることができたならば、覚えるのは一発でしたね。日本語と中国語はもちろん違う言語なので、違う面があります。しかし逆に考えれば同じ言葉ではあるので共通するところもでてきます日本語と同じようで少し異なるところがあるから中国語は楽しいと思いませんか?法則性を覚えたら、あとは使っていき反芻する中で慣れていって中国語を是非マスターしていってくださいね。