日本では、外でご近所の方や知り合いにお会いした時、「こんにちは、今日はいい天気ですね/最近はだいぶ暖かくなってきましたね」などと挨拶することがほとんどです。
実は中国にも「你好!(こんにちは)」の挨拶に続いてよく用いられる慣用句があります。
今回はその言葉について、書いていきたいと思いますよー。
元々は「吃饭了吗」。今は何がよく使われる?
もともと中国では、「你好」の後に「吃饭了吗」という挨拶をすることがほとんどでした。
この言葉の意味は、「もうご飯を食べましたか」であり、いかにも食文化を大切にする中国人らしい挨拶でした。
今でも特に割と高い年齢層の方々にはこの習慣がまだ残っているのですが、年齢が若くなるにつれて挨拶の言葉も徐々に変わってきているようです。
最近よく聞く言葉は、「干嘛去呢」というもので、これは訳せば「何しに出かけるの?」というようなニュアンスの言葉です。
また、日本と同じように中国でも言葉を短く省略して話すことがあり、今ではおじさん、おばさんたちも若者と同じように「嘛去」などと話しかけているのをよく見かけます。
ただこの言葉、使い方を間違えると、場合によっては相手をののしるような意味になってしまうのでご注意ください。
「去」をつけ忘れて、「干嘛」と言ってしまうと、「何をするんだ」という意味にとられてしまいます。
「干嘛去呢」に対する返事の言葉は?
では、「干嘛去呢」と聞かれたら、何と答えればよいのでしょうか。
中国人がよく口にする言葉の一つは「遛得遛得」というもので、「ちょっとそこまで」とか、「ぶらぶらしてくる」といった意味があります。
中国で生活していると、マンションの敷地内などで毎日必ず聞く言葉であり、近所のおじさん、おばさんがにこやかに、かつ大きな声でこのように話しています。
その他にもよく聞こえてくるのは「买菜去」、日本語に訳すと「市場へ買い物に行ってくる」という意味の言葉や、「玩儿去」、つまり「ちょっと遊びに行ってくる」という言葉であり、日常生活に密接に結びついているフレーズがほとんどです。
私たちのことを日本人とわかっているご近所の方々もマンションの中でよく声をかけてくれますが、その時に「买菜去」と返事をすると、とてもうれしそうに「你慢点儿」と挨拶をしてくれます。
この「你慢点儿」という言葉も非常によく使う言葉で、「気をつけていってらっしゃい」という意味があります。
この言葉、「いってらっしゃい」という意味でも使えますし、「気をつけてね」とか、「注意してね」、また「ゆっくり慎重に」といった意味もあります。
この言葉は別れの時にほぼ使うフレーズなので、覚えておくと便利な言葉です。ただ、日本人にとってはこのフレーズの最後の「儿」の発音がかなり難しく、ネイティブにとってはとてもおかしく聞こえるそうなので、ネイティブの発音をよく真似て何度も練習することが必要です。
「吃饭了吗」は使わなくなったの?
中国伝統の慣用句「吃饭了吗」という言葉ですが、全く使わなくなったというわけではありません。
例えば、食事の時間が過ぎてから友人の家へ遊びに行くと、ほぼ必ずと言っていいほど、「你吃饭了吗」と聞かれます。
中国に何年住んでいても、これに対する返事に困ることがあります。
まだ食事をしていないような状況でも、日本人的な感覚で考えると、もし「还没吃」と答えたら、何か準備するよう気を使わせてしまうのではないかと思いますし、かといって「已经吃了」と嘘をつくのも何となく申し訳なく感じます。
そんな時に便利なのが、「吃点了」という言葉です。これは訳すと「ちょっと食べてきたよ」という微妙なニュアンスの言葉であり、それでも相手は安心、納得してくれる言葉なのです。
何とも日本人らしい微妙な言葉でありますが、心配させるよりはましかと思ってよく使っています。それでも日本人だけが使っている言葉というわけではなく、中国人も同じように使っていますので、とても便利な言葉の一つなのです。
皆さんもぜひ使ってみてください。