日本語と中国語は別のものです。いくら日本では漢字を習うことを義務化していて、中国に旅行した際に読める字が多く、なんとなくどんなお店か雰囲気で分かっていても、そこがなんの店なのか、何を売っているのか、何を扱っているのかは正確には分かりません。もちろんその原因として、中国には日本では習わない字があったり日本人の受ける義務教育以上で習う以上に難しい漢字があったりすることもたしかです。
しかしそれでも読めないのはなぜでしょう。
その原因の一つは文字からそれが何なのかイメージがつかないからです。もちろん「鶏」と入っていれば鶏肉の料理なのだなと分かりますが、「哈密瓜」と書かれて「メロン」と分かる日本人はいるでしょうか。勉強していれば分かる人もいるかもしれませんが、旅行程度で訪れる場合には知らないことが多いでしょう。
そして原因の二つ目では、同じ漢字でも意味が異なるから、ということが挙げられるのではないでしょうか。これはお店の話に限ったことではありません。今回は二つ目の原因を例に挙げて紹介します。
「先生」は「先生」ではない!?
日本で「先生」と言うと、教師・医師・弁護士など色んな職業の方を想像できるでしょう。しかし中国語で使われる「先生」とは日本語の意味とは異なり、「~さん」という意味で使われます。知っていたとしても、慣れるまでは、なかなか使いづらいですよね。。。これは男女で異なりこちらは男性に使われます。
女性の場合は「小姐(Xiǎojiě)」 や「女士(Nyoshi)」 を使います。二種類ありますが、使い分け方としては、
先生 = Mr.
女士 = Mrs (既婚) / Ms(婚否不問)
小姐 = Miss(未婚)
という意味で使い分けることができます。
仲の良い相手でしたら呼び捨てや間柄で呼ぶことがありますが、かしこまった場所やそこまで親しくない方、初対面の方とお話をする場合はきちんと敬称をつけなければ失礼にあたります。
ちなみに、「先生(Xiānshēng)」というのは男性に使われると言いましたが、昔は女性でも功績を残した方やいい成績を残した方に使うことあります。
では、ホントに先生にはどういう呼称を使うことができるの?
では先生、つまりは教師や医師、弁護士などの先生はなんと言えばいいのでしょうか
上記のようにそれぞれ言い方があります。日本ではまとめて先生と表現することもありますが、中国語ではそれぞれ分けて表現をします。日本語と同じようにそれぞれを後ろにつけて「〇〇老師」「〇〇醫生」という形でも使うことができます。
「ちゃん」「くん」というのに関しては、日本語のように明確なものがあるわけではありません。例えば、「明(Míng)」という子がいたとしましょう。その子が幼い時には「明明(Míng míng)」と名前の一部を重ねて呼んだり、「阿明(Ā míng)」と「阿(Ā)」を前に付けたりします。幼い子でなくても、恋人に親しみを込めて呼ぶ際にも用いられることもあります。
ちなみに、中国語では呼び捨ての方が親しみがあると感じられると言います。もちろん年上の人や医師や先生、初対面の人に対して呼び捨てをするのは失礼にあたることではありますが、仲良くなった友達に関してはむしろ呼び捨てを使うことの方が多いです。
まとめ
いかがでしょう。中国語とは突き詰めていくと深いものだなと感じていただけましたか?日本人の識字率は今や90%を超えています。だからこそ「先生」という熟語を読めない人はいないと思いますし、意味だって理解できます。
しかしそれが中国の地で使われているということを考えるとまた違ってきます。異国なのですから使われる意味も違うことがあり得るんだということを考えつつ生活してみるのも、日常にワクワク感が足されると思いませんか。日本で使われる意味と中国で使われる意味に違いがある語句というのはまだまだあります。これを機に探してみるのもいいかもしれませんね。