中国を旅行していて、鉄道を利用する機会は多いと思います。とりわけ近距離の場合は、ほとんどが列車での移動になります。
中国と日本の鉄道を比べた場合いろいろな違いがありますが、最も大きな違いは駅の構造ではないかと思います。
中国の駅(特に新幹線の駅)の場合は、どの駅もほとんど同じつくりになっています。簡単に言うと待合場所がホームの上にあります。そして乗車口(改札)と出口が別々になっています。
つまり、駅に入るとエスカレーターで最上階(待合場所)に上がり、乗車する場合は改札を通ってホームに降りて乗車します。
こういう構造になっているのは、恐らく乗客が極端に多く混乱を避けるために、改札口と出口を分けているのだと思われます。極めて合理的な構造です。そして、駅舎も日本に比べ驚くほど巨大です。
1.列車の種類
列車の種類は、普通列車から高速鉄道(新幹線)まで各種そろっていて、これは日本とほぼ同じでしょう。中国語では、それぞれ次のような呼び方になります。
後ろのアルファベットと数字は各列車の記号で、列車番号につけられています(たとえば高鉄の場合はG7456など)。普通列車だけはアルファベットの記号はなく、4桁の数字で表します。
「高鉄」は高速鉄道の略称で日本の新幹線に当たります。日中、特に都市間の移動は主に高鉄を利用しますので、外国人が最も乗る機会の多い列車になります。
2.切符の買い方
切符は駅または街中に切符売り場があり、そこで購入できます。「切符売り場」は中国語では、
shòu piào chù
售 票 处
と言います。
切符を買うときは、窓口で日付、列車番号、出発地と目的地、座席の種類等を告げます。
たとえば、
などのように言います。
中国語にまだ自信のない人は、買いたい列車の内容を紙に書いて渡すと、間違いなく購入できます。
切符を買う際には身分証(パスポート)の提示が必要ですので、紙とパスポートを一緒に窓口に出すとよいでしょう。
また、切符の時間変更をしたい場合は、切符売り場にある専用の窓口でできます。
「切符の時間変更」は、中国語では、
gǎi qiān
改 签
と言います。
また、「切符のキャンセル(払い戻し)」は、
tuì piào
退 票
と言います。
キャンセルする場合は、キャンセル料として料金の5%ほどを支払います。
中国は十数億の巨大な人口を有する国で、とにかくどこへ行っても人だらけです。したがって、列車の乗客も非常に多く、慢性的に切符が買いにくい状況となります。
旅行の行動予定が決まっている場合は、少なくとも前日の切符購入をお勧めします。ただし、日付の変更はできません(例えば、明日の切符を明後日に変更したい場合は、明日の切符を一度キャンセルし、改めて明後日の切符を購入する必要があります)。
時間変更は切符の購入よりやりやすいので、当日の予定が替わる場合などは、あらかじめ切符を買っておいて、予定の変更に合わせて切符の時間も変更するとよいでしょう。
3.列車の乗り方
中国の列車は、新幹線から普通列車まですべて座席指定となっていて、日本のような自由席はありません。
したがって、切符にはすべて車両番号、座席番号が記載されており、その番号を確認して自分の座席に座ります。
以前中国の列車に乗る時に、よく自分の座席に知らない中国人が座っていました。その頃は、切符で指定された座席に座るという、日本では当たり前のマナーが守られないことが多かったのです。しかし、最近は、特に新幹線の乗客はよくマナーを守ってきちんと自分の座席に座るようになったようです。
しかし、2、3人或いは4,5人のグループで乗ってくる乗客に、席を替わってほしいと頼まれることがあります。
複数の切符を買うときに座席が離れてしまうので、隣の席の人が2人連れの場合などに、連れの人と席を替わるよう頼まれます。
中国語ではこのように言われます。
替わってもかまわない場合は、
替わりたくない、断る場合は、
などど言います。
もっとも、断るケースはあまり無いようです。断ってしまうと、隣の席の人と気まずい雰囲気になってしまうかもしれません。
車中でのコミュニケーションも、旅の思い出の1ページを飾ることができるのではないでしょうか。中国語が話せる場合は、思い切って、隣の席の人に声をかけてみてはいかがでしょう。
中国語があまり得意出ない場合も、日本人には「筆談」という裏技があります。その場合は、小さなノートをバッグに忍ばせておきましょう。
日本人は見ず知らずの人と話すのはいささか抵抗がありますが、中国人の場合は、全く知らない人でも自由にコミュニケーションできるという非常に良い習慣があります。
しかも、相手が外国人の場合は、よろこんでおしゃべりに付き合ってくれるでしょう。