中国の鉄道と列車の切符の買い方・乗り方について

中国を旅行していて、鉄道を利用する機会は多いと思います。とりわけ近距離の場合は、ほとんどが列車での移動になります。
中国と日本の鉄道を比べた場合いろいろな違いがありますが、最も大きな違いは駅の構造ではないかと思います。


中国の駅(特に新幹線の駅)の場合は、どの駅もほとんど同じつくりになっています。簡単に言うと待合場所がホームの上にあります。そして乗車口(改札)と出口が別々になっています。
つまり、駅に入るとエスカレーターで最上階(待合場所)に上がり、乗車する場合は改札を通ってホームに降りて乗車します。

こういう構造になっているのは、恐らく乗客が極端に多く混乱を避けるために、改札口と出口を分けているのだと思われます。極めて合理的な構造です。そして、駅舎も日本に比べ驚くほど巨大です。

f:id:camusneco:20180714172753j:plain

 

1.列車の種類

列車の種類は、普通列車から高速鉄道(新幹線)まで各種そろっていて、これは日本とほぼ同じでしょう。中国語では、それぞれ次のような呼び方になります。

 

高 铁(G)
gāo tiě
新幹線

 

动 车 组(D)
dòng chē zǔ
在来新幹線

 

直 达 特 快 列 车(Z)
zhí dá tè kuài liè chē
特急寝台列車

 

特 快 列 车(T)
tè kuài liè chē
特急列車

 

快 速 列 车(K)
kuài sù liè chē
急行列車

 

普 通 列 车(1234)
pǔ tōng liè chē
鈍行列車

 

後ろのアルファベットと数字は各列車の記号で、列車番号につけられています(たとえば高鉄の場合はG7456など)。普通列車だけはアルファベットの記号はなく、4桁の数字で表します。
高鉄」は高速鉄道の略称で日本の新幹線に当たります。日中、特に都市間の移動は主に高鉄を利用しますので、外国人が最も乗る機会の多い列車になります。

 

2.切符の買い方

切符は駅または街中に切符売り場があり、そこで購入できます。「切符売り場」は中国語では、

shòu piào chù
售 票 处

と言います。
切符を買うときは、窓口で日付、列車番号、出発地と目的地、座席の種類等を告げます。
たとえば、

 

买 高 铁 票, 6 月 1 号, G 1 2 0, 从 北 京 到 上 海, 一 等 座。
mǎi gāo tiě piào, lìu yuè yī hào, jī yāo èr líng, cóng běi jīng dào shàng hǎi, yī děng zuò

 

などのように言います。
中国語にまだ自信のない人は、買いたい列車の内容を紙に書いて渡すと、間違いなく購入できます。
切符を買う際には身分証(パスポート)の提示が必要ですので、紙とパスポートを一緒に窓口に出すとよいでしょう。
また、切符の時間変更をしたい場合は、切符売り場にある専用の窓口でできます。
「切符の時間変更」は、中国語では、

 

gǎi qiān
改 签

 

と言います。
また、「切符のキャンセル(払い戻し)」は、

 

tuì piào
退 票

 

と言います。
キャンセルする場合は、キャンセル料として料金の5%ほどを支払います。


中国は十数億の巨大な人口を有する国で、とにかくどこへ行っても人だらけです。したがって、列車の乗客も非常に多く、慢性的に切符が買いにくい状況となります。
旅行の行動予定が決まっている場合は、少なくとも前日の切符購入をお勧めします。ただし、日付の変更はできません(例えば、明日の切符を明後日に変更したい場合は、明日の切符を一度キャンセルし、改めて明後日の切符を購入する必要があります)。
時間変更は切符の購入よりやりやすいので、当日の予定が替わる場合などは、あらかじめ切符を買っておいて、予定の変更に合わせて切符の時間も変更するとよいでしょう。

 

3.列車の乗り方

中国の列車は、新幹線から普通列車まですべて座席指定となっていて、日本のような自由席はありません。
したがって、切符にはすべて車両番号、座席番号が記載されており、その番号を確認して自分の座席に座ります。
以前中国の列車に乗る時に、よく自分の座席に知らない中国人が座っていました。その頃は、切符で指定された座席に座るという、日本では当たり前のマナーが守られないことが多かったのです。しかし、最近は、特に新幹線の乗客はよくマナーを守ってきちんと自分の座席に座るようになったようです。


しかし、2、3人或いは4,5人のグループで乗ってくる乗客に、席を替わってほしいと頼まれることがあります。
複数の切符を買うときに座席が離れてしまうので、隣の席の人が2人連れの場合などに、連れの人と席を替わるよう頼まれます。

 

中国語ではこのように言われます。

 

能 不 能 跟 他 换 个 位 子?
néng bù néng gēn tā huàn ge wèizi
彼と座席を替わってもらえますか?

 

替わってもかまわない場合は、

 

没 问 题。
méi wèn tǐ
いいですよ。(問題ないですよ)

 

替わりたくない、断る場合は、

 

不 好 意 思。我 喜 欢 坐 这 个 位 子。
bù hǎo yìsi wǒ xǐhuan zuò zhège wèizi
すみません。。この席に座ってたいんです。

 

などど言います。

 

もっとも、断るケースはあまり無いようです。断ってしまうと、隣の席の人と気まずい雰囲気になってしまうかもしれません。

 

車中でのコミュニケーションも、旅の思い出の1ページを飾ることができるのではないでしょうか。中国語が話せる場合は、思い切って、隣の席の人に声をかけてみてはいかがでしょう。

 

中国語があまり得意出ない場合も、日本人には「筆談」という裏技があります。その場合は、小さなノートをバッグに忍ばせておきましょう。
日本人は見ず知らずの人と話すのはいささか抵抗がありますが、中国人の場合は、全く知らない人でも自由にコミュニケーションできるという非常に良い習慣があります。
しかも、相手が外国人の場合は、よろこんでおしゃべりに付き合ってくれるでしょう。