中国でのゴミの捨て方とゴミに対する考え方

環境問題、特にゴミの処理についてはどこでも関心が高まっています。

日本では、自治体によって差がありますが、細かな分別が要求されます。

 

さて、中国でのゴミ事情はどうなのでしょうか。ここでは、中国に居住される方のために、私たち個人の生活レベルでのゴミ事情についてお話ししたいと思います。

 

ゴミにまつわる中国語

はじめに、ゴミやゴミ出しに関係する中国語をご紹介します。

 

扔垃圾 rēng lā jī ゴミを捨てる(ゴミ箱に投げ入れるイメージ)

倒垃圾 dào lā jī ゴミを捨てる(小さなゴミ箱をひっくり返して大きなゴミ箱に移すイメージ)

丢垃圾 diū lā jī ゴミを捨てる(書き言葉、標語、ステッカーに多い)

分垃圾 fēn lā jī ゴミを分ける 

捡垃圾 jiǎn lā jī ゴミを拾う

乱扔垃圾 luàn rēng lā jī ポイ捨て

收(回收)垃圾 shōu (huí shōu) lā jī ゴミを集める

垃圾袋 lā jī dài ゴミ袋

垃圾桶(箱) lā jī tǒng (xiāng) / 果皮箱 guǒ pí xiāng ゴミ箱
 (桶:主に円柱状のもの、深さのあるもの箱:四角いもの、大きめのもの 果皮箱:公共の場や公園にあるくずかごのイメージ)

垃圾堆 lā jī duī ゴミ溜め ゴミ捨て場 ゴミの山

 

中国でのゴミの捨て方 

まず前提として、中国では決められたゴミ回収の曜日がありません。365日24時間いつでもゴミを出すことができます。

さらに”分垃圾 (ゴミの分別)”という考えがほぼありません。

公共の場所や道端、コンビニなどに置かれているゴミ箱には申し訳程度に

可燃 kě rán (燃える) 回收 huí shōu(回収する、つまりビン・カン)

と書かれてはいますが、分けられている気配はありません。

 

というわけで中国では、家庭ゴミは何でもかんでも一緒に捨てることができるのです!

それでは環境問題に拍車がかかってしまうのでは…?と心配された方、大丈夫です。

実は中国では”人力”でしっかりゴミの分別&リサイクルがされているのです。

 

「人力分別&リサイクル」!?

もちろん日本でも、人が働いて分別&リサイクルされているのですが、中国は一味違います。

例えばあなたが一つのゴミ袋に、缶やペットボトル、広告の紙、空き箱、古着、ビニール袋など、一緒に入れて捨てたとします。

すると半日もすれば、おそらく、ゴミは跡形もなく消えているはずです。

残っていたとすると、それはトイレのゴミと生ゴミくらいでしょう。

 

中国では、いろいろなものを集めて売ってお金を稼いでいる人がたくさんいます。

それぞれ担当があって、自分が集めているものを回収して回るのです。

広告ばかり集める人もいれば、ビン・缶を好んで集める人もいます。

結果、自然とゴミの分別がされていく…というわけです。日本では考えもしなかった物もお金になるんですね。

 

广告纸也可以卖钱。guǎng gào zhǐ yě kě yǐ mài qián. 広告の紙も売ればお金になります。

 

粗大ゴミはいつ捨てる?

中国の場合は、粗大ゴミも普通にゴミ置き場に置いておいて大丈夫なんです。

高層マンションなど、大きなゴミ箱が一階ロビーに置かれているようなところでは、そのゴミ箱のそばに置いておけば大丈夫です。

さて、誰がどのように回収してくれるのかと言うと…基本的には、誰でも、欲しい人が持って帰ります。

中国人の感覚として、“人がいらなくなった物でもまだ使える物はもらう”のが当たり前なのです。

これは中国小都市の人だけの習慣なのかと思いきや、日本の大都市で長年暮らしている中国人の友人も”そんなの当然でしょう”と言っていました。

もちろん個人差はありますが、中国人のごく一般的な行動、と言ってもいいと思います。

筆者個人も、引越しの際など本当に助かりました。

 

中国でゴミを捨てるときの注意点

さて、何でも一緒に捨てられて便利なのですが、裏を返せば家庭のゴミを誰かに開けられる、ということになります。

どうしても見られたくないものは、生ゴミと一緒に入れて口をきつく結び捨てることをお勧めします。

またトイレのゴミなどは黒い袋に入れて空気を抜き、きつく縛ってから捨てる方が良いかもしれません。

自分が捨てた服やカバン、オモチャなどを誰かが使うこともありますから、個人情報は消しておく、またポケットを再三確認してから捨てることをお勧めします。