私が初めて使った中国語は [暖水瓶]。
日本語にすると[ポット]ですが、日本にあるポットを思い浮かべるとそれはちょっと違うかもしれません。
水をお湯にするもの、もしくは水をお湯にしてその温度を保っておくものを想像すると思いますが、私が言った[暖水瓶]は保温?というか保存(備蓄)に特化した1ℓ~2ℓ入れられる水筒みたいなものだと思ってください。
なぜこの言葉を最初に使ったかお話したいと思います。
どうすれば水が手に入るのか
当時高校生の私は一人中国国際航空に乗って北京に向かっていました。
中国語が話せるわけではありませんでしたが、中国という国を実際に見てみたいという思いと、窮地に追い込まれれば何事も頑張れるかもなどと思い夏休みを利用しての短期留学を申し込みました。北京空港までは留学先の学校から迎えが来てくれていたので、そのまま車に乗って留学生宿舎まで連れて行ってもらえました。
7月下旬、緊張と暑さから喉がヒリヒリ、飛行機内でもらったペットボトル入りの水を少しずつ飲んでいましたが部屋についたときにはそれも底をついていました。
「水が飲みたい・・・。」と切実に思いましたが、蛇口をひねって出てくる水をそのまま飲んではいけないという知識だけは持っていたので、あきらめてその日は就寝。
翌日は留学手続き、歓迎会などが行われ、食事の際に水分補給はできたものの部屋で飲む水はいまだ確保できず、「この国の人はどうやって水を確保しているのだろう。
どこで水が買えるのだろう」と思いながらもこの日も何もできずに部屋に戻ってきてしまいました。
廊下にポットが置いてある!!さらに人の気配が。
夜、共同のトイレに行こうと廊下を歩いているとドアの前にポットらしきものが置いてある部屋がいくつか・・・。
「なんだろう。」と思い、翌朝見てみると廊下に置いてあるポットの数が増えている!!「自分部屋にはない。でも他の部屋にはある。おそらく2本。それを朝廊下に出す。これは一体どういうシステムなのだろう??でも、きっとあれは飲めるやつだ」と思いながらも何もできないでいました。
しばらくすると廊下から物音が、自分の部屋から物音が遠ざかったのを確認してドアをそーっと開けてのぞいてみると、大きなやかんを持ったお姉さんがポットの中にお湯を入れている!!朝入れてくれるんだ。とわかっても自分の部屋にはポットがない。どうしようと思って調べた単語が
部屋で一生懸命練習して、意を決して発した言葉が
そのあと何かいろいろ言われたことは全くわかりませんでしたが、念願のポット(お湯入り)を2本無事手に入れることができました。
『お湯の入ったポットが欲しい』は中国語で何て言えばいいの?
後日わかったことですが、私が到着したのが土曜日でお世話をしてくれる[服务员]さんが土日休みである上に、私の部屋にポットを置くのを忘れるという不運が重なったことにより起こったことでした。
しかし、このおかげで[暖水瓶]がネイティブに通じた初めての単語となったわけですが、本当は「ポットをお借りできませんか。お湯が入れたいので」と言いたかったんです。
ポットは借り物だというのはわかっていたし、空のポットを渡されても困る。中にお湯が入っていないと何の解決にもならない。
持っていた中国語のテキストを見て何とか文章を組み立てようとしましたが正しいかどうかわからない上に長くて覚えられない。仕方がないので[~が欲しい。]という構文にあった[要]を使ったのですが、これではあまりにも失礼な言い方になるのではないか、もっと人にものを頼むときは丁寧な方がいいのではないか。
散々考えました。
結果的には通じたのでよかったのですが、この後も他者にお願いする表現には悩まされました・・・。
ちょっと構文を覚えはじめて日本語から中国語を組み立てようとした時が一番ひどかった気がしますが、それはまた別の機会に。