中華版ツイッターのweiboなど中国のSNSで、芸能人などについてのつぶやきで「粉丝」という単語を目にすることがあります。粉丝は料理で使う「はるさめ」のことですが、書き込みにはこのような事が書かれています。
何のことか意味がわからないという人も多いと思います。実は、ここで使われている粉丝にはもう一つの意味があります。ここで言う粉丝とは、ファンのことを指します。すなわち、先程の文章は、それぞれこのような訳が当てはまります。
それでは、どうしてはるさめ(粉丝)が、ファンになったのでしょうか?
その始まりを紹介していきます。
いつから粉丝=ファンになった?その背景にはSNSが!
この粉丝の単語の語源は、英語の「fans」です。発音がどことなく似ていますよね。このfansの意味合いはとても広く、アイドルや著名人のファンはもとより、製品やブランドの愛用者や、さまざまな分野のマニアまで、幅広い範囲のファンのことを指します。最近ではSNSなどのフォロワーのことも粉丝と呼びます。
この粉丝の呼び方は、SNSが普及し始めた2000年ごろから、香港や台湾を中心に大陸まで波及してきたと言われています。
それでは全てのファンがはるさめになる前は中国語でなんと呼ばれていたのでしょうか?
一昔前はそれぞれ別の呼び方があった!
これまで、それぞれのファンや愛好家には、それぞれの呼び方がありました。
アイドルや著名人のファンは、こう呼ばれていました。
日本語でもアイドルや著名人を「スター」と呼んでいますね!中国語では「明星」と呼びます。その明星を追いかける人たちのことをこう呼んでいるわけです。
一方でマニアのことはこう呼んでいます。
○○の部分には、対象物がきます。例えば、歌手のジェイ・チョウの歌の熱狂的なマニアの場合は、以下のようになります。
他にもサッカーマニアは足球迷、映画マニアは电影迷、クルママニアは车迷と言います。この呼び方は現代でも定着しています。熱狂的マニアの集まりはしばしば「○○迷协会(○○マニア協会)」と呼ばれることがあります。
また、日本語で愛好者は、そのまま爱好者と呼びます。
そうしたおっかけ、マニア、愛好者、ライトなファンをすべて包括している便利な単語が、この粉丝です。
粉丝の使い方と広がり
この粉丝という言葉は使われ始めてから、ものすごい勢いで普及してきました。中国版Wikipediaの百科(Baiduの百科事典)にも粉丝=ファン、マニアとして掲載されています。
というように使われています。
また、新しいビジネスの形として、こんな単語も生まれました。
これは、企業の製品や、企業のブランドについているファンや愛好家同志のコミュニケーションを利用してファンを巻き込んで運営やマーケティングを行っていく新しいビジネスの形の呼び名として定着しています。
粉丝の意味を知らない人が見ると、「はるさめのマーケティング?」と思いますが、ビジネス用語にまで使われるほど粉丝の単語の知名度が上がったとも言えます。
友人同士の会話で使ってみよう!
SNSなどの普及で、自身の好きなものを気軽に共有できたり、共感できたりする時代になりました。そうした社会背景の中で、粉丝という言葉は多くの「好き」を指す言葉として、ピッタリの単語として使用されるようになってきました。
中国では、人気のある状態のことを紅(赤)といいます。そして粉丝の粉はピンクという意味があります。顔が赤くなるほど「好き」よりも、頬をピンクに染める程度に「好き」までを包み込むライトなファンをも含む懐の深い単語として、粉丝は中国に定着していったのではないかと思います。
中国で「好きだな」と思うものを見つけら、ぜひ粉丝になってみましょう!