日本語はかなり遠回しの表現が多いのに対して、直接的な表現がほとんどだと思われがちな中国語。
確かに中国で生活していると、日本と比べて直球的な質問したり、自分の意見をはっきりと言い表したりすることが必要です。
しかし、実は日本語と同様で、中国語にもいわゆる「クッション言葉」のような言葉が幾つもあり、そのようなフレーズを使うことで表現を和らげ、円滑なコミュニケーションを取ることができます。今回はその中でもよく使われる中国語のクッション言葉を幾つかご紹介したいと思います。
「你方便的话」 (ご都合がよろしければ)
日本人が最もよく使用する中国語のクッション言葉がこの「你方便的话」であり、つまり「あなたの都合がよかったら/あなたさえよければ」という意味です。この言葉の頭に「如果(もし)」をつけて話す人も多いですね。相手を招待する時や、相手に何か依頼する時に使える言葉です。例えば、「如果你方便的话,中午我们一起去吃饭怎么样?」、つまり「あなたの都合がよければ、一緒にランチに行きませんか」というように使います。
「你不介意的话」 (差し支えなければ)
これも相手に何かをお願いする時や、都合を聞いたりする時に用いる表現で、「差し支えなければ」とか、「お気になさらないようであれば」という意味があります。特に頼みづらいことを話す時に使う表現で、相手が断っても構わないというニュアンスを含んだ表現です。
例えば初対面の人と連絡先を交換する時に、「如果你不介意的话,留下互相的联系方式怎么样」、つまり「差し支えなければ、連絡先を交換しませんか」というように使用します。
「冒昧问一下」 (失礼ですが。。。)
この言葉は「失礼なことをお聞きしますが」という意味で、少し聞きづらいことを相手に質問する時に使うフレーズです。
中国で生活していると、見知らぬ人とも会話が始まることがよくあります。中国語を学ぶ良い機会にもなってちょうど良いのですが、初対面でもかなりプライベートなことまで聞かれることがよくあります。
特に話している相手が外国人だとわかると興味津々な様子で、中国に来てどのくらいかといったことから、結婚や子供の有無といった家庭事情、果ては月収についてまで、様々なことを聞かれます。
適当に返事をすることが多いですが、相手が礼儀正しい人だったり、本当に私たちの意見を聞きたいと思っているような場合は、そのような質問の最初に「冒昧问一下」という言葉がつけられています。
例えば、「冒昧问一下,你的工作是什么」、つまり「失礼なことをお聞きしますが、あなたのお仕事は何ですか」といったような具合です。特に男性と話す時は政治や歴史の話になることも多く、かなりデリケートな話題ですので、相手の意見を聞く時にはこのフレーズをぜひ使うようにしましょう。
他にもあるクッション言葉の代表例、もっと丁寧な表現
何かを依頼されて断る時に、ただ「不行」、つまり「できない」というよりも、「恐怕不行」や「估计不行」、つまり「恐らく難しいだろう」というように、「恐怕」や「估计」という単語を付け加えるだけで、遠回しに断ることができます。
その前に「あいにくですが」の意味を表す「很不巧」という言葉を付け足せば、かなり丁寧な表現になります。
また、こちらから何かをメール等で依頼する場合には、「在您百忙之中添麻烦」や「在您百忙之中非常抱歉」、つまり「お忙しいところお手数をおかけしますが/お忙しいところ大変申し訳ございませんが」といったフレーズをまず使っておくと、非常に丁寧な文章になります。
今回は中国語にあるクッション言葉を幾つか紹介してきましたが、最後に注意を一つ。日本人は習慣的によく使っているようなフレーズばかりですが、中国ではこうしたフレーズを連発すると気を遣い過ぎと思われてあまりよくありません。
ですから、あまり使いすぎることなく、必要な時にはしっかりと言えるようにしておきましょう。