中国ではスマホの普及とIT産業の成長に伴い、食事のデリバリーサービスがブームとなっています。食事のデリバリー、つまり出前のことを中国語では「外卖」と言います。
食事のデリバリーサービスを提供する「百度外卖」や「美团外卖」、「餓了么」などのポータルサイトには、地域のほとんどの飲食店が参加しているため、食べたいものを好きな時に好きなだけ注文することができます。
今回は「百度外卖」から日本食を注文する場合を例にとって、中国の食事デリバリー事情を、注文に関連するフレーズと合わせてご紹介します。
食事のデリバリーサービスの仕組み
中国インターネット情報センターの報告書によると、中国のオンライン出前利用者は急速に増加し現在では3億人に達したそうです。
利用者がスマホで食事のデリバリー専用アプリを立ち上げるとGPSで場所を特定し、配達可能な飲食店が紹介されます。注文する料理はキーワードで検索でき、配送料や配達目安時間に基づいて、中華料理はもちろんのこと、日本料理やファストフード、コーヒー一杯に至るまで様々な飲食が注文できます。
利用者が注文を完了すると、ポータルサイトの専用バイク便が注文先の飲食店まで注文の品を取りに向かい、利用者の指定場所まで配達するという仕組みです。
支払方法「付款方式」は店によって違います。代金引換「餐到付款」ができる店もあれば、ネット決済「在线支付」のみの店もあります。
共働きが当たり前である中国ではもともと外食頻度が高いこともあり、食事のデリバリーも抵抗なく普及しました。中国で働く外国人や留学生にも幅広く利用されています
「百度外卖」で日本食を注文してみよう
外卖で人気が高いのはやはりピザやハンバーガーなどのファストフードですが、地元の美味しい中華料理も人気です。
「百度外卖」のポータルサイトで、近くのレストランを意味する「附近的餐厅」から、外国料理を指す「异国风味」をクリックして、表示される牛丼や寿司などの料理の写真から好きなものを選びます。
希望配達時刻「期望送达时间」を指定します。すぐ配達して欲しい時は「立即送去」を指定します。
ちょっと良いことがあった日は、美味しそうなお寿司を注文してみましょう。
味付けや、素材、分量などに特別な要望がある場合には、リクエスト欄で指定することができます。
お寿司はわさび抜きにして欲しい場合は、注文時にリクエスト欄で指定します。
各料理の写真には、利用者の評価や当月の販売数を示す星印と、最小配達価格である「起送」、配達料金である「配送」、および平均配達時間が記載されています。迷った時には人気を指す星印の数が参考になります。
赤・青・黄色のデリバリーバイクが街にあふれています
「百度外卖」や「餓了么」、「美团外卖」の専用バイク便には、それぞれ赤・青・黄色の制服を着た配達員が乗っています。配達員は制服と同じ色の配達用バックを荷台に付けて、街中を走り回っています。配達員の数は推定約300万人とのことです。
迅速な配達が利用者からの高評価につながり、利用者の評価が給料に反映されるため、スピードを出して配達を急ぐ配達員も多く、専用バイク便の交通マナーや交通事故が問題になっています。専用バイクは走行音がほとんどしないため、近くに来るまで存在に気が付かず危険な体験をしている人たちが多いそうです。
中国を訪れた時には、「外卖」も試してみたいですね。